DOCSIS『下り信号 Downstream』の仕様
下り信号のスキャンを説明する前に、先にDOCSISの下り信号の仕様について簡単に示します。
周波数範囲 | 111~857 MHz | |
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周波数帯域幅 | 6 MHz | |
レベル範囲 | 45~75 dBμV | |
変調方式 | 64QAM | 256QAM |
シンボルレート | 5.056941 Msym/sec | 5.360537 Msym/sec |
データレート | 30.342 Mbps | 42.884 Mbps |
下り信号の変調方式は、「64QAM」または「256QAM」です。
「64QAM」あるいは「256QAM」のどちらであるは、ケーブルテレビ局センター設備CMTSの設定値に依存します。
下り信号のスキャン動作
さて、下り信号スキャンについて、ご説明します。
同軸ケーブルをCMにつないで、CMの電源を投入しますと、DOCSISの「下り信号」のスキャンが開始されます。
下りスキャンは、64QAMあるいは256QAMの信号を探し、見つかればロックして、ロックした信号から流れてくる「SYNC」メッセージの受信を待ちます。
「SYNC」は、少なくとも200msecの周期的にCMTSから送信するメッセージで、システム全体のタイミングとして使用します。
「SYNC」受信すると、次に「UCD」メッセージを受信します。
※UCD:Upstream Channel Descriptor
受信した「UCD」メッセージ内には、CMが上り信号を送信するための必要な情報が知らされます。
- 上り周波数
- シンボルレート(Symbol Rate)
- モジュレーション・プロファイル(Modulation Profile)
CMの下りスキャンはQAM信号をロックして、CMTSから周期的に送信されるSYNC・UCDメッセージの受信を待ちます。
もし、これらのメッセージを正常に受信できれば、リンクアップできるDOCSISの下り信号とわかり、次のステップに移行します。もし、メッセージを受信できなかった場合は、CMは他のチャンネルを探し続けます。