DHCP→ToD→TFTPのプロセスについてご説明します。
これまでの手順でレンジングを完了するとDOCSIS層からIP層に移行してIP通信を行える状態になります。
CMからCMTSへデータを送信する場合は、DOCSISプロトコル上でCMTSよりMAPメッセージによって、CMのデータ送信の機会を取得します。
まず初めにDHCPプロセスを行います。
このDHCPプロセスはCM自身に対してアドレス割当するもので、CM自身のMACアドレスでDHCP Discoverパケットをブロードキャスト送信します。CMから送信されたDiscoverはCMTSが受信して、あらかじめCMTSの設定に記述された転送先のDHCPサーバに対して、Discoverを転送します。
つまり、CMTSはDHCPリレーエージェントとして動作します。
CMTSから転送されたDiscoverパケットをDHCPサーバが受信すると、Discoverパケット内の要求元であるCMのMACアドレスに基づいて、パラメータをセットします。DHCPサーバは、セットした応答パケットDHCP Offerを送信します。
その後は、CMはDHCP Offerを受け取った後にDHCP Requestを送信し、DHCP Ackが受け取れればDHCPプロセス完了となります。
DHCPサーバから渡される値は、主に次のようなパラメータです。
- サブネットマスク(Subnet Mask)
- ルータアドレス(Router)
- タイムオフセット(Time Offset)
- ToDサーバアドレス(Time Server)
- SYSLOGサーバアドレス(Log Server)
- TFTPサーバアドレス
- CMコンフィグファイル名
DHCPプロセスによってIPアドレス等の割当が完了して、次はToDプロセスです。
RFC868 ToD(Time of Day)によってTimeサーバとCMの時刻同期が行われます。この時刻同期は、CM内部のイベントログの日付等を管理するために利用します。
最後に、TFTPのプロセスです。
DHCPパラメータで取得したTFTPサーバアドレス・CMコンフィグファイル名から、CMはファイルを要求します。
CMコンフィグファイルは、下り・上り最大速度や最大CPE接続数等の設定が記述されたバイナリ形式のファイルで、TFTPでダウンロードしたファイルを展開して、CM自身の設定を行います。